COLUMN
コラム歯科医院を開業するとなるとテナント開業でおよそ8000万円、土地から用意して建設をすれば1億2000万円ほどかかるとされています。
開業は一世一代の大勝負になってしまうのです。
そこで歯科医院を開業したらどのように成功へ導いていけば良いのか事業展開の方法を紹介したいと思います。
歯科医院は人が人を相手にする仕事です。
どのような患者さんに来て欲しいのか、どのような人を相手にしたいのかを明確にしたほうが良いでしょう。
例えば、働き盛りのサラリーマンや個人事業主を相手にするなら診療時間が長くなるだけでなく、駅前など好アクセスな立地を選ぶべきです。
一方、主婦や高齢者など地域に根付いた医療をしたいのであれば駅前よりも住宅街に近い場所や、大きい通りに面した場所を選んだ方が良いです。
開業資金をいくらにするかも事業展開で重要になります。
冒頭で紹介した費用はあくまで平均です。
近年、若手歯科医師に人気のあるマイクロやCTなどを導入すればテナント開業でも1億円を超えることだってあるのです。
開業資金は手持ち資金でいくら用意して、銀行や信金・公庫から借りるというのが一般的です。
しかし、借りたままではいけません。
返すのが勝負となるのです。
特に事業展開を目指しているのであれば借りっぱなしではなく、返済しつつ新しく借りるというサイクルでお金を回していくべきでしょう。
返済スケジュールも含めてテナント開業か土地を探してからの開業なのか選びましょう。
当たり前のことですが、毎月の支出を減らして収入を増やすと総資産は増えていきます。
そこで重要となるのが固定出費を減らすことと、利益幅の広い収入を増やすことです。
例えば、人件費は歯科衛生士と歯科助手の割合を明確にしておく、正社員ではなくパート採用を増やすなどをすれば固定費を抑えられます。
機器導入の段階で高額機器ではなく、安価なものを導入するのも一つです。
製品を比べると5000円のピンセットと300円のピンセットで違いを感じることは少ないです。
こだわりがあれば別ですが…。
歯科医療をはじめとする日本の医療制度は点数により診療報酬が決定します。
残念なことに北海道でも沖縄でも東京でも大阪でも保険点数に違いはないのです。
しかし、土地代や物価は地方で大きく異なりますよね。
保険点数に地域差がないということは、出来るだけテナント代や最低賃金など固定費の安い地域で開業した方が利益率が高くなるということです。
収入に関していえば原価率の低い治療を中心に行うと良いでしょう。
インレーやFMCはパラジウムの高騰により、材料費がかかってしまいます。
小臼歯におけるO面だけのC処ではO面インレーではなく、CRを充填する方が利益率が高くなるのです。
医療法人にするとクリニックを畳むときが面倒くさいという話を聞きます。
ですが、1年間一生懸命稼いだお金が税金で消えるのはもったいないですよね。
個人事業主で税処理をするよりも医療法人になれば税負担の減額につながります。
他にもMS法人と呼ばれる節税会社を設立して、そちらへ院内業務の一部を委託している設定もできます。
事業展開する上で株式会社や合同会社など自由に動ける法人を一つ用意してもいいのではないでしょうか。