COLUMN
コラム口腔外科処置では他の処置と比較して保険点数が高額になるケースが多いです。
そこで今回は口腔外科処置で算定できる点数について紹介していこうと思います。
口腔外科処置で基本となるのは抜歯です。
抜歯は乳歯130点、前歯155点、臼歯265点、埋伏歯1054点です。
埋伏歯には完全埋伏歯または水平埋伏歯に限り算定できます。
さらに、下顎完全埋伏智歯や下顎水平埋伏歯の場合は、埋伏歯1054点に120点を加算します。
下顎における埋伏歯抜歯の場合、顎骨内を走行している下歯槽神経と智歯の位置関係を把握するために歯科用CT撮影が認められます。
電子画像管理加算と撮影料で1290点となり、抜歯処置と併用すると2300点以上となるのです。
口腔外科が対応するのは抜歯が多いですが、口腔内消炎処置も口腔外科特有の処置だと思います。
膿瘍切開やP急発症例でも消炎処置を行います。
一度、算定方法について確認しましょう。
口腔外科症例で多いのは智歯周囲炎です。智歯周囲炎におけるファーストチョイスは抗炎症剤の処方と抗生物質の処方です。
しかし、実際に歯肉に炎症が波及している場合、歯肉を一部除去して清掃性を上げる必要があります。
歯肉弁切除術は120点を算定できます。
歯肉膿瘍が起きている場合は、GA病名をつけて歯肉膿瘍処置を行います。これは180点です。
骨膜下や口蓋膿瘍切除は230点、顎骨炎まで波及した場合は1/3未満の範囲で750点・1/3以上の範囲で2600点となっています。
全顎に炎症が波及している場合は、5700点となるのです。
これら消炎処置は炎症病巣に対して口腔内より消炎手術を行うものを指します。
同一病巣に対して2つ以上の消炎処置をしても、主たる手術のみに算定します。
口腔外科手術で、表面麻酔・浸潤麻酔・伝達麻酔を行った場合、所定点数に含まれ算定できませんでしたが、使用した麻酔剤は算定できることになりました。
浸潤麻酔と伝達麻酔を一連で行った場合は全ての麻酔薬剤料を合算して算定します。
例えば、右上の2番・3番を「C3per」病名で抜歯をした場合、OAと歯科用キシロカインカートリッジ2本を使ったケースでは、抜歯手術155点が2本分と麻酔薬剤料として18点を算定します。
帰宅後、圧迫止血をしても血が止まらない「後出血処置」についても、麻酔薬剤料や局所止血薬の費用は別に算定できます。
今までレーザーで血管を焼いていた先生、スポンゼルを追加で入れて縫合していた先生も局所麻酔薬による止血効果に期待してみませんか?
口腔外科症例は単価が高い傾向があります。それは侵襲性の高い処置だというのが影響しています。そこで大切なのが自費診療のコンサルです。インプラント治療やテルプラグなど抜歯時に提案すれば成功率が上がります。